【理事のつぶやきシリーズ】
河野です。
私の母は、当時少数派だった『働く婦人』で、結婚しても出産しても退職せず、新潟県長岡市で電話交換手として働き続けていました。
昭和30年代の産休は、産前6週間、産後8週間が休業期間でしたので、母は生後2ヶ月の私を父の姉(私の伯母)に預けて職場復帰しました。
伯母は自分の3人の子どもたちだけでなく、私と弟の2人の他、孫2人も育てました。孫たちの母親が看護師として働いていたからです。
一度も働きに出たことはなく、ずっと長岡市で主婦として母として生きてきた伯母は、今年の3月、満107歳になりました。
自宅で過ごすことが難しくなって現在は、介護老人保健施設で暮らしています。
毎週面会に行き、お世話してくれているおばあちゃん子の孫が、時々伯母の様子を知らせてくれます。最近、食が細くなって、体力が落ちてきたと連絡が来ても、すぐにはいけずに悶々としていましたが、先日やっと会いに行くことが出来ました。
「最近はずっと眼をつむっていることが多いけど、耳は聞こえていると思う。話しかけてみてね」訪問歯科医として、日常的にお年寄りの口腔ケアや歯の治療をしている伯母の孫は、面会に行く私にそうアドバイスをしてくれました。
はたして……
「伯母ちゃん、ますみだよ。会いに来たよ。伯母ちゃんには本当にお世話になりました。ありがとう!!」
伯母の手を握り、声をかけ続けていると、ぎゅっと握り返してくれました。
「私のことわかる?」
伯母は頷いてうっすらと眼を開けてくれました。何か話したかったのか「うう!」と声まで出して私の顔を見てくれたのです。自分でもびっくりするくらい涙が溢れてきて、こみ上げてくる感情の正体がつかめないまま、私は涙を拭うこともせず、伯母の手を握り、足をさすり続けました。
107歳!! もう神です! なんだかめちゃくちゃ励まされました。
会いに来て良かったぁ♡ 「最近、気力も体力も落ちてきちゃった」とぼやいてばかりいた私でしたが、活を入れられました。ありがとう! 伯母ちゃん、また会いに来るね。
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